連続的夢劇場

最近、友人が妙な話を聞かせてくれた。

それは、彼が巨大な図書館に行くという夢の話だ。

世界でも最大規模といわれるアメリカの議会図書館があるが、彼が夢の中で訪れたのは、それをはるかに超える大きさで、友人いわく「まるで宇宙基地のような」大きさだったという。

壁一面にはびっしりと書棚が並んでおり、それは首が殆ど真上を向くほどの高さまで続いていたそうだ。

友人は古い漫画のコレクターでもあるのだが、絶版になった有名作家の幻の作品を棚の中に見つけた後、貸し出し禁止のシールが無いのを見て、それはもう、大喜びしたという。

その他にも、連載はされたが出版はされなかった漫画が実際に単行本化した、あるはずの無い漫画本など、自分の望む本たちををつぎつぎと抱え、貸し出しカウンターへ満面の笑みで向かったという。

……しかし、いざ借りようとした際、あることに気付いた。

図書館の利用者カードを「忘れた」のだという。

あぁ、自分は何てバカなミスをしてしまったんだ!

……というところで、目が覚めたのだという。

初めて行ったんだから、カードが無いのは当たり前なのでは?

そんな至極真っ当な突っ込みを入れると、「いや、実際そうなんだよ。カードを作ればいいじゃないかって」と、彼もまた尤もな反応をした。

「だから、また行けたらな……と思っていたんだけどさ」

実に奇妙な話だが、翌日彼が眠りに就くと、あの巨大図書館の入り口から夢が始まったのだという。

彼は夢の中で、昨晩はカードの件で失敗したということを思い出し、まずは大急ぎで受付へ行き、カードを作ってもらった。

そして、昨晩借りようとしていた本達を取りに行き、それらを抱えて受付へ向かい、滞りなく借りることができたらしい。

彼は安心して図書館の外に出て、家に帰ろうとした。

……が、その瞬間、目が覚めてしまったのだという。

それなら、図書館内で読めばいいじゃないかと言うと、「そうなんだよ。そう思って、また行きたいと思ったらさ」

翌日の夢もまた、あの巨大図書館の入り口から始まったという。

彼はカードも作らず、ありったけの読みたい本をかき集め、幾つかあるテーブルの一画を占拠して、貪るようにマンガを読み漁った。

しかし、先にも述べた「単行本化されていない本」を読む段になって、係の女性がやってきて、申し訳無さそうにこう言ったという。

「すみません、そろそろ閉館時間なんです」

そう告げられた直後、目が覚めたらしい。

流石にそうなっては仕方ないだろうと思ったのだが、彼の奇妙な夢の話は、それで終わりではなかったらしい。

彼が言うには、今もその図書館に行く夢を断続的に見ていて、絶版漫画や、単行本化されていない作品などなど、既にかなりの量の作品を読破しているのだという。

「妙な話だけど、面白いだろ」と彼は言う。

実際面白いのは確かだが、正直言って、やや心配でもある。

今夜も彼は、奇妙な図書館で漫画を読み耽っているのだろうか。

できれば自分も、いつかその図書館にお邪魔してみたいものである。

夢の中で。